今月の言葉 No49
新しい心構え 坂村真民(さかむら・しんみん)
新しい年を迎えるには新しい心構えがなくてはならぬ。決して、ただ漫然と迎えてはならぬ。そしてその心構えは年相応のものでなくてはならぬ。50代には50代の心構え、70代には70代の心構えが大切である。還暦になったんだから、古希になったんだからという妥協は自己を深遠に落ち込ませるだけである。
この言葉は前回紹介した坂村真民の言葉である。坂村真民の詩に「延命の願」というのがある。私は延命の願をしました、で始まり『第一の願は啄木の27を超える、第二の願は子規の36を超える、第3の願は父の42歳を超える、第4の願は母の72、最後の願は世尊の80を超えること』
小さい時から真民は体が弱く、長生きは無理と言われ、8歳で父を亡くし、40代で失明の危機と内臓疾患で生死をさ迷いながらも、「2度とない人生だから」「念ずれば花ひらく」のような人生の応援詩をつくり、自詩誌《詩国》を毎月発刊、ファンに無償でくばり500号、40年間以上続け97才まで生きた。
今や詩碑の数は700をこえる。毎年毎年の強い願いが97歳までの生を神は与えた。私たちも新年にあたり《新しい願》をかけようではないか。
坂村真民にご興味がある方は「ゆい人物館」の坂村真民をご覧下さい。
http://yuijinbutsu.web.fc2.com/ab11_38.html
(青木青眠・従心会倶楽部会員)